スポーツによる肘の痛み｜種類・原因・症状・予防と対策

野球肘は、投球動作の繰り返しにより肘の内側や外側に炎症や損傷が起こります。初期は投球時の違和感や痛みですが、進行すると可動域制限や投球不能に至ることもあります。

主な原因は投球数の過多、下半身や体幹を使わないフォーム、成長期の骨・軟骨の未成熟、肘周囲筋の柔軟性不足など。

野球肘の予防と対策方法は以下の通りです。

• 投球フォームの改善（下半身主導）
• 肘周囲のストレッチと柔軟性維持
• 投球数制限と休養日の確保

テニス肘(外側上顆炎)は、手首を伸ばす筋肉の付着部（肘外側）に炎症が起こり、物を持ち上げる、握る、ラケットを振る動作で痛みが出ます。

主な原因はバックハンドでの衝撃吸収不足、グリップの握りすぎ、手首の使いすぎなど。

テニス肘(外側上顆炎)の予防と対策方法は以下の通りです。

• 前腕伸筋群のストレッチ
• グリップ圧の調整
• スイングフォームの改善

ゴルフ肘（内側上顆炎）は、手首を曲げる筋肉の付着部（肘内側）に炎症が起こり、スイングや物を持ち上げる動作で痛みが出ます。

主な原因はダウンスイング時の衝撃、重量物の持ち上げ、前腕屈筋群の硬さなど。

ゴルフ肘（内側上顆炎）の予防と対策方法は以下の通りです。

• 前腕屈筋群のストレッチ
• スイング時のフォーム改善
• 適切な負荷での練習管理

後方インピンジメント症候群は、肘を強く伸ばした際に肘後方の骨同士が衝突し、痛みや違和感が生じます。特に投球やサーブの終盤で発症します。

主な原因は、過度な肘伸展動作、肩甲骨や肩の可動性不足、繰り返しのオーバーヘッド動作など。

後方インピンジメント症候群の予防と対策方法は以下の通りです。

• 肩甲骨と肩関節の可動性向上
• 肘への負担分散フォームの習得
• 過伸展を避ける動作制御

肘には安定性を保つ靭帯（内側・外側側副靭帯）があります。これが損傷し、ぐらつきや痛み、腫れが生じます。

主な原因は、急な外力（接触・転倒）、投球時の肘の開き、練習量の急増など。

肘の靭帯損傷の予防と対策方法は以下の通りです。

• 肘周囲筋の強化
• 投球フォームの改善
• 練習量の適正管理

尺骨神経障害は、肘内側を通る尺骨神経が圧迫や牽引を受け、薬指や小指に痺れや痛みが出ます。握力低下を伴うこともあります。

主な原因は、長時間の肘屈曲姿勢、投球フォームによる神経牽引、衝撃による神経圧迫など。

尺骨神経障害の予防と対策方法は以下の通りです。

• 神経周囲のストレッチ
• フォーム改善で肘屈曲負担を軽減
• 長時間の肘屈曲を避ける